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| 聖霊の働き その11 | 聖霊の働き その12 | 聖霊の働き その13 |
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聖霊の働き その11 (使徒行伝第11章1節)さて、異邦人たちも神の言(ことば)を受け入れたということが、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちに聞こえてきた。(2節)そこでペテロがエルサレムに上ったとき、割礼(かつれい)を重んじる者たちが彼をとがめて言った、(3節)「あなたは割礼のない人たちのところに行って、食事を共にしたということだが」。(4節)そこでペテロは口を開いて、順序正しく説明して言った、(5節)「わたしがヨッパの町で祈っていると、夢心地になって幻を見た。大きな布のような入れ物が、四すみをつるされて、天から降りてきて、わたしのところにとどいた。(6節)注意して見つめていると、地上の四つ足、野の獣、這うもの、空の鳥などが、はいっていた。(7節)それから声がして、『ペテロよ、立って、それらをほふって食べなさい』と、わたしに言うのが聞こえた。
(8節)わたしは言った、『主よ、それはできません。わたしは今までに、清くないものや汚れたものを口に入れたことが一度もございません』。(9節)すると、二度目に天から声がかかってきた、『神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない』。(10節)こんなことが三度もあってから、全部のものがまた天に引き上げられてしまった。
(11節)ちょうどその時、カイザリヤからつかわされてきた三人の人が、わたしたちの泊まっていた家に着いた。(12節)御霊がわたしに、ためらわずに彼らと共に行けと言ったので、ここにいる六人の兄弟たちも、わたしと一緒に出かけて行き、一同がその人の家にはいった。(13節)すると彼はわたしたちに、御使いが彼の家に現れて、『ヨッパに人をやって、ペテロと呼ばれるシモンを招きなさい。(14節)この人は、あなたとあなたの全家族とが救われる言葉を語って下さるであろう』と告げた次第を、話してくれた。(15節)そこでわたしが語り出したところ、聖霊が、ちょうど最初わたしたちの上にくだったと同じように、彼らの上にくだった。
(16節)その時わたしは、主が『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは聖霊によってバプテスマを受けるであろう』と仰せになった言葉を思い出した。(所見)(使徒行伝第1章5節)「ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう」と言われた、主イエスの教えは、まず、聖霊を受けていなければ、聖霊によって、バプテスマを授けることは出来ないことを、悟らなければならない。
この、主イエスの御言葉は、(使徒行伝第2章4節)で実現した。
人類の歴史上、初めて聖霊が降り、次には、(使徒行伝第2章38節〜41節)で具体的に人類が、初めて罪を許され、イエス・キリストの御名によって、バプテスマを受けて、新しく生まれ変わり、聖霊も授けられたのである。(17節)このように、わたしたちが主イエス・キリストを信じた時に下さったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったとすれば、わたしのような者が、どうして神を妨げることができようか」。(18節)人々はこれを聞いて黙ってしまった。それから神をさんびして、「それでは神は、異邦人にも命にいたる悔い改めをお与えになったのだ」と言った。
(19節)さて、ステパノのことで起こった迫害のために散らされた人々は、ピニケ、クプロ、アンテオケまでも進んで行ったが、ユダヤ人以外の者には、だれにも御言葉を語っていなかった。(20節)ところが、その中に数人のクプロ人とクレネ人がいて、アンテオケに行ってからギリシャ人にも呼びかけ、主イエスを宣べ伝えていた。
(21節)そして、主のみ手が彼らと共にあったため、信じて主に帰依(きえ)するものの数が多かった。
(22節)このうわさがエルサレムにある教会に伝わってきたので教会はバルナバをアンテオケにつかわした。(23節)彼は、そこに着いて、神の恵みを見てよろこび、主に対する信仰を揺るがない心で持ちつづけるようにと、みんなの者を励ました。(注)国内や、海外の巡回伝道の時も、バルナバと同じ様な体験をさせられた事が多かった。「水と霊」の救いを受けた兄弟姉妹方を訪ねると、皆恵まれて、祝福されて、喜びに輝いていた。
伝導者にとって、それは、何よりの喜びであり、慰めであり、励ましにもなるのである。(24節)彼は聖霊と信仰とに満ちた立派な人であったからである。こうして主に加わる人々が、大ぜいになった。(25節)そこでバルナバはサウロを捜しにタルソへ出かけて行き、(26節)彼を見つけたうえ、アンテオケに連れて帰った。ふたりは、まる一年、ともどもに教会で集まりをし、大ぜいの人々を教えた。このアンテオケで初めて、弟子たちがクリスチャンと呼ばれるようになった。
(注)このアンテオケで初めて、弟子たちが“クリスチャン”と呼ばれるようになったのである。
(27節)そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケにくだってきた。(28節)その中のひとりであるアガポという者が立って、世界中に大ききんが起こるだろうと、御霊によって預言したところ、果たしてそれがクラウデオ帝の時に起こった。
(注)クラウデオ帝は、使徒行伝に二度記されている。一度は、(使徒行伝11章28節)、二度目は、(使徒行伝第23章26節)である。二度目は、ユダヤ人たちの暴徒から、パウロを救ったとある。預言者アガポは、直感的に世に起こる事を、御霊に感じて預言したが、預言は的中したという。
(29節)そこで弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに援助を送ることに決めた。(30節)そして、それをバルナバとサウロとの手に託して、長老たちに送りとどけた。
聖霊の働き その12 (使徒行伝第12章1節)そのころ、ヘロデ王は教会のある者たちに圧迫の手をのばし、(2節)ヨハネの兄弟ヤコブをつるぎで切り殺した。(3節)そして、それがユダヤ人たちの意にかなったのを見て、さらにペテロをも捕らえにかかった。それは徐酵祭(じょこうさい)の時のことであった。
(4節)ヘロデはペテロを捕らえて獄に投じ、四人一組の兵卒四組に引き渡して、見張りをさせておいた。過越の祭りのあとで、彼を民衆の前に引き出すつもりであったのである。(5節)こうして、ペテロは獄に入れられていた。教会では、彼のために熱心な祈りが神にささげられた。
(6節)ヘロデが彼を引き出そうとしていたその夜、ペテロは二重の鎖につながれ、ふたりの兵卒の間に置かれて眠っていた。番兵たちは戸口で獄を見張っていた。(7節)すると、突然、主の使がそばに立ち、光が獄内を照らした。そして御使はペテロのわき腹をつついて起し、「早く起きあがりなさい」と言った。すると鎖が彼の両手から、はずれ落ちた。
(8節)御使が「帯をしめ、くつをはきなさい」と言ったので、彼はそのとおりにした。それから「上着を着て、ついてきなさい」と言われたので、(9節)ペテロはついて出て行った。彼には御使のしわざが現実のこととは考えられず、ただ幻を見ているように思われた。(10節)彼らは第一、第二の衛所を通りすぎて、町に抜ける鉄門のところに来ると、それがひとりでに開いたので、そこを出て一つの通路に進んだとたんに、御使は彼を離れ去った。
(11節)その時ペテロはわれにかえって言った、「今はじめて、ほんとうのことがわかった。主が御使をつかわして、ヘロデの手から、また、ユダヤ人たちの待ちもうけていたあらゆる災いから、わたしを救い出して下さったのだ」。(所見)(ヨハネ伝第3章5節〜10節)イエスは答えられた、「よくよくあなたに言っておく。だれでも、水と霊とから生まれなければ、神の国にはいることはできない。(6節)肉から生まれる者は肉であり、霊から生まれる者は霊である。(7節)あなたがたは新しく生まれなければならないと、わたしが言ったからとて、不思議に思うには及ばない。(8節)風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞くが、それがどこからきて、どこへ行くかは知らない。霊から生まれる者もみな、それと同じである」。
(9節)ニコデモはイエスに答えて言った、「どうして、そんなことがあり得ましょうか」。
(10節)イエスは彼に答えて言われた、「あなたはイスラエルの教師でありながら、これぐらいのことがわからないのか。(注)天使は僕(しもべ)の霊であるから、霊は風の如く、獄の中も出入る事ができたのである。主の命によって、ペテロを、獄から助け出す事は、当然の働きであった。
(ヘブル書第1章14節)御使たちはすべて仕える霊であって、救を受け継ぐべき人々に奉仕するため、つかわされたものではないか。と書いてある。
(使徒行伝第12章)のこの事件は特筆すべき、最大の奇跡であった。(12節)ペテロはこうとわかってから、マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家に行った。その家には大ぜいの人が集まって祈っていた。(13節)彼が門の戸をたたいたところ、ロダという女中が取次ぎに出てきたが、(14節)ペテロの声だとわかると、喜びのあまり、門をあけもしないで家に駆け込み、ペテロが門口に立っていると報告した。
(15節)人々は「あなたは気が狂っている」と言ったが、彼女は自分の言うことに間違いはないと、言い張った。そこで彼らは「それでは、ペテロの御使だろう」と言った。
(16節)しかし、ペテロが門をたたきつづけるので、彼らがあけると、そこにペテロがいるのを見て驚いた。(17節)ペテロは手を振って彼らを静め、主が獄から彼を連れ出して下さった次第を説明し、「このことを、ヤコブやほかの兄弟たちに伝えて下さい」と言い残して、どこかほかの所へ出て行った。
(18節)夜が明けると、兵卒たちの間に、ペテロはいったいどうなったのだろうと、大へんな騒ぎが起こった。(19節)ヘロデはペテロを捜しても見つからないので、番兵たちを取り調べたうえ、彼らを死刑に処するように命じ、そして、ユダヤからカイザリヤにくだって行って、そこに滞在した。
(20節)さて、ツロとシドンとの人々は、ヘロデの怒りに触れていたので、一同打ちそろって王をおとずれ、王の侍従官ブラストに取り入って、和解かたを依頼した。彼らの地方が、王の国から食糧を得ていたからである。(21節)定められた日に、ヘロデは王服をまとって王座にすわり、彼らにむかって演説をした。(22節)集まった人々は、「これは神の声だ、人間の声ではない」と叫びつづけた。(23節)するとたちまち、主の使いが彼を打った。神に栄光を帰することをしなかったからである。彼は虫にかまれて息が絶えてしまった。(注)ヘロデは、王服をまとって王座にすわって、演説をした直後に虫にかまれて、死んだと言う。演説を聞いた民衆はこれは神の声だ、人間の声ではないと言った。神に栄光を帰せなかったヘロデに対して神が裁きを下したのである。
(24節)こうして、主の言(ことば)はますます盛んにひろまって行った。
(25節)バルナバとサウロとは、その任務を果たしたのち、マルコと呼ばれていたヨハネを連れて、エルサレムから帰ってきた。聖霊の働き その13 (使徒行伝第13章1節)さて、アンテオケにある教会には、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、領主ヘロデの乳兄弟マナエン、およびサウロなどの預言者や教師がいた。(2節)一同が主に礼拝をささげ、断食をしていると、聖霊が「さあ、バルナバとサウロとを、わたしのために聖別して、彼らに授けておいた仕事に当たらせなさい」と告げた。
(3節)そこで一同は、断食と祈りとをして、手をふたりの上においた後、出発させた。
(4節)ふたりは聖霊に送り出されて、セルキヤにくだり、そこから舟でクプロに渡った。(5節)そしてサラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言を宣べはじめた。彼らはヨハネを助け手として連れていた。
(6節)島全体を巡回して、パポスまで行ったところ、そこでユダヤ人の魔術師、バルイエスという偽預言者に出会った。(7節)彼は地方総督セルギオ・パウロのところに出入りをしていた。この総督は賢明な人であって、バルナバとサウロとを招いて、神の言を聞こうとした。
(8節)ところが魔術師エルマ(彼の名は「魔術師」との意)は、総督を信仰からそらそうとして、しきりにふたりの邪魔をした。(9節)サウロ、またの名はパウロ、は聖霊にみたされ、彼をにらみつけて(10節)言った、「ああ、あらゆる偽りと邪悪とでかたまっている悪魔の子よ、すべて正しいものの敵よ。主のまっすぐな道を曲げることを止めないのか。(11節)見よ、主のみ手がおまえの上に及んでいる。おまえは盲目になって、当分、日の光が見えなくなるのだ」。たちまち、かすみとやみとが彼にかかったため、彼は手さぐりしながら、手を引いてくれる人を捜しまわった。
(12節)総督はこの出来事を見て、主の教えにすっかり驚き、そして信じた。(注)ここで、教えられることは、偽り者がいくら、うまく装っても、聖霊の権威の前には、魔術師も即座に打ち砕かれてしまう。神の言葉は、真理である。
真理に従っては力があり、真理に背いては、如何なる魔術も無力であった。(13節)パウロとその一行は、パポスから船出して、パンフリヤのペルガに渡った。ここでヨハネは一行から身を引いて、エルサレムに帰ってしまった。(14節)しかしふたりは、ペルガからさらに進んで、ピシデヤのアンテオケに行き、安息日に会堂にはいって席に着いた。(15節)律法と預言書の朗読があったのち、会堂司たちが彼らのところに人をつかわして、「兄弟たちよ、もしあなたがたのうち、どなたか、この人々に何か奨励の言葉がありましたら、どうぞお話し下さい」と言わせた。(16節)そこでパウロが立ちあがり、手を振りながら言った。
「イスラエルの人たち、ならびに神を敬うかたがたよ、お聞き下さい。(17節)この民イスラエルの神は、わたしたちの先祖を選び、エジプトの地に滞在中、この民を大いなるものとし、み腕を高くさし上げて、彼らをその地から導き出された。(18節)そして約四十年にわたって、荒野で彼らをはぐくみ、(19節)カナンの地では七つの異民族を打ち滅ぼし、その地を彼らに譲り与えられた。
(20節)それらのことが約四百五十年の年月にわたった。その後、神はさばき人たちをおつかわしになり、預言者サムエルのときに及んだ。(21節)その時、人々が王を要求したので、神はベニヤミン族の人、キスの子サウロを四十年間、彼らにおつかわしになった。(22節)それから神はサウロを退け、ダビデを立てて王とされたが、彼についてあかしをして、『わたしはエッサイの子ダビデを見つけた。彼はわたしの心にかなった人で、わたしの思うところを、ことごとく実行してくれるであろう』と言われた。(23節)神は約束にしたがって、このダビデの子孫の中から救主イエスをイスラエルに送られたが、(24節)そのこられる前に、ヨハネがイスラエルのすべての民に悔い改めのバプテスマを、あらかじめ宣べ伝えていた。
(25節)ヨハネはその一生の行程を終ろうとするに当って言った、『わたしは、あなたがたが考えているような者ではない。しかし、わたしのあとから来るかたがいる。わたしはその靴を脱がせてあげる値うちもない』。(26節)兄弟たち、アブラハムの子孫のかたがた、ならびに皆さんの中の神を敬う人たちよ。この救いの言葉はわたしたちに送られたのである。(27節)エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めずに刑に処し、それによって、安息日ごとに読む預言者の言葉が成就した。
(28節)また、なんら死に当たる理由が見いだせなかったのに、ピラトに強要してイエスを殺してしまった。(29節)そして、イエスについて書いてあることを、皆なし遂げてから、人々はイエスを木から取りおろして墓に葬った。(30節)しかし、神はイエスを死人の中から、よみがえらせたのである。(31節)イエスは、ガリラヤからエルサレムへ一緒に上った人たちに、幾日ものあいだ現れ、そして、彼らは今や、人々に対してイエスの証人となっている。(32節)わたしたちは、神が先祖たちに対してなさった約束を、ここに宣べ伝えているのである。(33節)神は、イエスをよみがえらせて、わたしたち子孫にこの約束をお果たしになった。それは詩篇の第二篇にも、『あなたこそは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ』と書いてあるとおりである。
(34節)また、神がイエスを死人の中からよみがえらせて、いつまでも朽ち果てることのないものとされたことについては、『わたしはダビデに約束した確かな聖なる祝福を、あなたがたに授けよう』と言われた。
(35節)だから、ほかの箇所でもこう言っておられる、『あなたの聖者が朽ち果てるようなことは、お許しにならないであろう』。(36節)事実、ダビデは、その時代の人々に神のみ旨にしたがって仕えたが、やがて眠りにつき、先祖たちの中に加えられて、ついに朽ち果ててしまった。
(37節)しかし、神がよみがえらせたかたは、朽ち果てることがなかったのである。(38節)だから、兄弟たちよ、この事を承知しておくがよい。すなわち、このイエスによる罪のゆるしの福音が、今やあなたがたに宣べ伝えられている。そして、モーセの律法では義とされることができなかったすべての事についても、(39節)信じる者はもれなく、イエスによって義とされるのである。(40節)だから預言者たちの書にかいてある次のようなことが、あなたがたの身に起こらないように気をつけなさい。(41節)『見よ、侮る者たちよ。驚け、そして滅び去れ。
わたしは、あなたがたの時代に一つの事をする。
それは、人がどんなに説明して聞かせても、
あなたがたのとうてい信じないような事なのである』。(42節)ふたりが会堂を出る時、人々は次の安息日にも、これと同じ話をしてくれるようにと、しきりに願った。(43節)そして集会が終ってからも、大ぜいのユダヤ人や信心深い改宗者たちが、パウロとバルナバとについてきたので、ふたりは、彼らが引きつづき神のめぐみにとどまっているようにと、説きすすめた。
(44節)次の安息日には、ほとんど全市をあげて、神の言を聞きに集まってきた。(45節)するとユダヤ人たちは、その群衆を見てねたましく思い、パウロの語ることに口ぎたなく反対した。(46節)パウロとバルナバとは大胆に語った、「神の言は、まず、あなたがたに語り伝えられなければならなかった。しかし、あなたがたを退け、自分自身を永遠の命にふさわしからぬ者にしてしまったから、さあ、わたしたちはこれから方向をかえて、異邦人たちの方に行くのだ。(47節)主はわたしたちに、こう命じておられる、『わたしは、あなたを立てて異邦人の光とした。
あなたが地の果までも救いをもたらすためである』。(48節)異邦人たちはこれを聞いてよろこび、主の御言をほめたたえてやまなかった。そして、永遠の命にあずかるように定められていた者は、みな信じた。(49節)こうして、主の御言はこの地方全体にひろまって行った。(50節)ところが、ユダヤ人たちは、信心深い貴婦人たちや町の有力者たちを煽動して、パウロとバルナバを迫害させ、ふたりをその地方から追い出させた。
(51節)ふたりは、彼らに向けて足のちりを払い落として、イコニオムへ行った。(52節)弟子たちは、ますます喜びと聖霊とに満たされていた。聖霊の働きその14 (使徒行伝第14章1節)ふたりは、イコニオムでも同じようにユダヤ人の会堂にはいって語った結果、ユダヤ人やギリシャ人が大ぜい信じた。(2節)ところが、信じなかったユダヤ人たちは異邦人たちをそそのかして、兄弟たちに対して悪意をいだかせた。(3節)それにもかかわらず、ふたりは長い期間をそこで過ごして、大胆に主のことを語った。
(注)大胆に主の言葉を語ったことで、主は、彼らの手で、しるしと奇跡とを行わせ、恵みの言葉を証されたとある。彼らとは、パウロとバルナバであって、この言葉を見ると、主は確かに、器を用いて、恵みの言葉を証されたとある。神は人の手を借りて、しるしと奇跡とを行われる事が、理解できる。そこで、この町の人々を二派に分かれさせる程、ユダヤ人の執念が伺われる。役人までも、巻き込んで、使徒たちの活動を妨害したのである。
主は、彼らの手によってしるしと奇跡とを行わせ、そのめぐみの言葉をあかしされた。(4節)そこで町の人々が二派に分かれ、ある人たちはユダヤ人の側につき、ある人たちは使徒の側についた。(5節)その時、異邦人やユダヤ人が役人たちと一緒になって反対運動を起こし、使徒たちをはずかしめ、石で打とうとしたので、(6節)ふたりはそれと気づいて、ルカオニヤの町々、ルステラ、デルベおよびその付近の地へのがれ、(7節)そこで引きつづき福音を伝えた。
(注)(8節)ところが、ルステラに足のきかない人が、すわっていた。彼は生まれながらの足なえで、歩いた経験が全くなかった。(9節)この人がパウロの語るのを聞いていたが、パウロは彼をじっと見て、いやされるほどの信仰が彼にあるのを認め、(10節)大声で「自分の足で、まっすぐに立ちなさい」と言った。すると彼は踊り上がって歩き出した。
(11節)群衆はパウロのしたことを見て、声を張りあげ、ルカオニヤの地方語で、「神々が人間の姿をとって、わたしたちのところにお下りになったのだ」と叫んだ。(12節)彼らはバルナバをゼウスと呼び、パウロはおもに語る人なので、彼をヘルメスと呼んだ。(13節)そして、郊外にあるゼウス神殿の祭司が、群衆と共に、ふたりに犠牲をささげようと思って、雄牛数頭と花輪とを門前に持ってきた。
(14節)ふたりの使徒バルナバとパウロとは、これを聞いて自分の上着を引き裂き、群衆の中に飛び込んで行き、叫んで(15節)言った、「皆さん、なぜこんな事をするのか。わたしたちとても、あなたがたと同じような人間である。そして、あなたがたがこのような愚にもつかぬものを捨てて、天と地と海と、その中のすべてのものをお造りになった生ける神に立ち帰るようにと、福音を説いているものである。(16節)神は過ぎ去った時代には、すべての国々の人が、それぞれの道を行くままにしておかれたが、(17節)それでも、ご自分のことをあかししないでおられたわけではない。すなわち、あなたがたのために天から雨を降らせ、実りの季節を与え、食物と喜びとで、あなたがたの心を満たすなど、いろいろのめぐみをお与えになっているのである」。
(18節)こう言って、ふたりは、やっとのことで、群衆が自分たちに犠牲をささげるのを、思い止まらせた。
(19節)ところが、あるユダヤ人たちはアンテオケやイコニオムから押しかけてきて、群衆を仲間に引き入れたうえ、パウロを石で打ち、死んでしまったと思って、彼を町の外に引きずり出した。
(20節)しかし、弟子たちがパウロを取り囲んでいる間に、彼は起きあがって町にはいって行った。そして翌日には、バルナバと一諸にデルベにむかって出かけた。(21節)その町で福音を伝えて、大ぜいの人を弟子とした後、ルステラ、イコニオム、アンテオケの町々に帰って行き、(22節)弟子達を力づけ、信仰を持ちつづけるようにと奨励し、「わたしたちが神の国にはいるのには、多くの苦難を経なければならない」と語った。(注)ルステラで足の立たない人に、癒されるにふさわしい信仰が、彼にあるのを認め、パウロは大声で、自分の足でまっすぐに立ちなさいと言った。すると彼は踊り上がって歩き出した。と記してある。
初めて福音を宣べ伝える所では、同様な事はよくある事である。パウロとバルナバとは、神にまつり上げられて、「いけにえ」まで捧げようとしたので、驚いたのは、使徒たちであった。やっと、騒ぎは、収まったが、使徒行伝の中でも、パウロがおどろいたのはこの他にはなかっただろう。(23節)また教会ごとに彼らのために長老たちを任命し、断食をして祈り、彼らをその信じている主にゆだねた。
(24節)それから、ふたりはピシデヤを通過してパンフリヤにきたが、(25節)ペルガで御言葉を語った後、アタリヤにくだり、(26節)そこから舟でアンテオケに帰った。彼らが今なし終った働きのために、神の祝福を受けて送り出されたのは、このアンテオケからであった。(27節)彼らは到着早々、教会の人々を呼び集めて、神が彼らと共にいて下さった数々のこと、また信仰の門を異邦人に開いて下さったことなどを、報告した。(28節)そして、ふたりはしばらくの間、弟子たちと一緒に過ごした。聖霊の働きその15 (使徒行伝第15章1節)さて、ある人たちがユダヤから下ってきて、兄弟たちに「あなたがたも、モーセの慣例にしたがって割礼(かつれい)を受けなければ、救われない」と、説いていた。(2節)そこで、パウロやバルナバと彼らとの間に、少なからぬ紛糾と争論とが生じたので、パウロ、バルナバそのほか数人の者がエルサレムに上り、使徒たちや長老たちと、この問題について協議することになった。
(3節)彼らは教会の人々に見送られ、ピニケ、サマリヤをとおって、道すがら、異邦人たちの改宗の模様をくわしく説明し、すべての兄弟たちを大いに喜ばせた。(4節)エルサレムに着くと、彼らは教会と使徒たち、長老たちに迎えられて、神が彼らと共にいてなされたことを、ことごとく報告した。(5節)ところが、パリサイ派から信仰にはいってきた人たちが立って、「異邦人にも割礼を施し、また、モーセの律法を守らせるべきである」と主張した。
(6節)そこで、使徒たちや長老たちが、この問題について審議するために集まった。(7節)激しい争論があった後、ペテロが立って言った、「兄弟たちよ、ご承知のとおり、異邦人がわたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようにと、神は初めのころに、諸君の中からわたしをお選びになったのである。
(8節)そして、人の心をご存じである神は、聖霊をわれわれに賜わったと同様に彼らにも賜わって、彼らに対してあかしをなし、(9節)また、その信仰によって彼らの心をきよめ、われわれと彼らとの間に、なんの分けへだてもなさらなかった。(10節)しかるに、諸君はなぜ、今われわれの先祖もわれわれ自身も、負いきれなかったくびきをあの弟子たちの首にかけて、神を試みるのか。
(11節)確かに、主イエスのめぐみによって、われわれは救われるのだと信じるが、彼らとて同様である」。
(12節)すると、全会衆は黙ってしまった。それから、バルナバとパウロとが、彼らをとおして異邦人の間に神が行なわれた数々のしるしと奇跡のことを、説明するのを聞いた。
(13節)ふたりが語り終えた後、ヤコブはそれに応じて述べた、「兄弟たちよ、わたしの意見を聞いていただきたい。(14節)神が初めに異邦人たちを顧みて、その中から御名を負う民を選び出された次第は、シメオンがすでに説明した。
(15節)預言者たちの言葉も、それと一致している。すなわち、こう書いてある、(16節)『その後、わたしは帰ってきて、
倒れたダビデの幕屋を建てかえ、
くずれた箇所を修理し、
それを立て直そう。
(17節)残っている人々も、
わたしの名を唱えているすべての異邦人も、
主を尋ね求めるようになるためである。
(18節)世の初めからこれらの事を知らせておられる主が、
こう仰せになった』。(19節)そこで、わたしの意見では、異邦人の中から神に帰依している人たちに、わずらいをかけてはいけない。(20節)ただ、偶像に供えて汚れた物と、不品行と、絞め殺したものと、血とを、避けるようにと、彼らに書き送ることにしたい。
(21節)古い時代から、どの町にもモーセの律法を宣べ伝える者がいて、安息日ごとにそれを諸会堂で朗読するならわしであるから」。
(22節)そこで、使徒たちや長老たちは、全教会と協議した末、お互いの中から人々を選んで、パウロやバルナバと共にアンテオケに派遣することに決めた。選ばれたのは、バルサバというユダとシラスとであったが、いずれも兄弟たちの間で重んじられていた人たちであった。(23節)この人たちに託された書面はこうである。
「あなたがたの兄弟である使徒および長老たちから、アンテオケ、シリヤ、キリキヤにいる異邦人の兄弟がたに、あいさつを送る。(24節)こちらから行ったある者たちが、わたしたちからの指示もないのに、いろいろな事を言って、あなたがたを騒がせ、あなたがたの心を乱したと伝え聞いた。(25節)そこで、わたしたちは人々を選んで、愛するバルナバおよびパウロと共に、あなたがたのもとに派遣することに、衆議一決(しゅうぎいっけつ)した。(26節)このふたりは、われらの主イエス・キリストの名のために、その命を投げ出した人々であるが、(27節)彼らと共に、ユダとシラスとを派遣する次第である。この人たちは、あなたがたに、同じ趣旨のことを、口頭でも伝えるであろう。
(28節)すなわち、聖霊とわたしたちとは、次の必要事項のほかは、どんな負担をも、あなたがたに負わせないことを決めた。(29節)それは、偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、不品行とを、避けるということである。これらのものから遠ざかっておれば、それでよろしい。以上」。
(30節)さて、一行は人々に見送られて、アンテオケに下って行き、会衆を集めて、その書面を手渡した。(31節)人々はそれを読んで、その勧めの言葉をよろこんだ。(32節)ユダとシラスとは共に預言者であったので、多くの言葉をもって兄弟たちを励まし、また力づけた。(33節)ふたりは、しばらくの時を、そこで過した後、兄弟たちから、旅の平安を祈られて、見送りを受け、自分らを派遣した人々のところに帰って行った。[(34節)しかし、シラスだけは、引きつづきとどまることにした。〕
(35節)パウロとバルナバとはアンテオケに滞在をつづけて、ほかの多くの人たちと共に、主の言葉を教えかつ宣べ伝えた。
(36節)幾日かの後、パウロはバルナバに言った、「さあ、前に主の言葉を伝えたすべての町々にいる兄弟たちを、また訪問して、みんながどうしているかを見てこようではないか」。
(37節)そこで、バルナバはマルコというヨハネも一緒に連れて行くつもりでいた。(38節)しかし、パウロは、前にパンフリヤで一行から離れて、働きを共にしなかったような者は、連れて行かないがよいと考えた。
(39節)こうして激論が起こり、その結果ふたりは互いに別れ別れになり、バルナバはマルコを連れてクプロに渡って行き、(40節)パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて、出発した。(41節)そしてパウロは、シリヤ、キリキヤの地方をとおって、諸教会を力づけた。