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第一章 正しい洗礼第二章 洗足式第三章 聖霊のバプテスマ第四章 真の救い第五章 死者の救い第六章 真の神
第七章 神の御名について第八章 聖餐式第九章 安息日第十章 聖霊の働きと権威第十一章 神の教会第十二章 ヨハネの黙示録


聖霊の働き その21 聖霊の働き その22 聖霊の働き その23
聖霊の働き その24 聖霊の働き その25
聖霊の働き その21

(使徒行伝第21章1節)さて、わたしたちは人々と別れて船出してから、コスに直航し、次の日はロドスに、そこからバタラに着いた。(2節)ここでピニケ行きの舟を見つけたので、それに乗り込んで出帆した。

(3節)やがてクプロが見えてきたが、それを左手にして通りすぎ、シリヤへ航行をつづけ、ツロに入港した。ここで積荷が陸上げされることになっていたからである。(4節)わたしたちは、弟子たちを捜し出して、そこに七日間泊まった。ところが彼らは、御霊の示しを受けて、エルサレムには上っていかないようにと、しきりにパウロに注意した。
(5節)しかし、滞在期間が終った時、わたしたちはまた旅立つことにしたので、みんなの者は、妻や子供を引き連れて、町外れまで、わたしたちを見送りにきてくれた。そこで、共に海岸にひざまずいて祈り、(6節)互いに別れを告げた。それから、わたしたちは舟に乗り込み、彼らはそれぞれ自分の家に帰った。

(7節)わたしたちは、ツロからの航行を終ってトレマイに着き、そこの兄弟たちにあいさつをし、彼らのところに一日滞在した。(8節)翌日そこをたって、カイザリヤに着き、かの七人のひとりである伝道者ピリポの家に行き、そこに泊まった。(9節)この人に四人の娘があったが、いずれも処女であって、預言をしていた。(10節)幾日か滞在している間に、アガポという預言者がユダヤから下ってきた。

(注)日本にも4歳になる、少女の預言者がいた。母子家庭で、姉と母と三人の家族であった。その家族は、私が洗礼を授け、聖霊を受けさせた。少女は聖霊に満たされて、毎日の様に、イエス様と会話をして、楽しんでいたという。しかし、意地悪な人たちがいて、お母さんを迫害するので、4歳の少女が、ヨハネの黙示録の御言葉を用いて、見事に撃退した。迫害者たちは、みんな、恥をかいて、逃げかえったと言う事である。また、少女は、まだ字も読めないし、聖書も知らないのに、どうして、そのような言葉が言えるのか、誰にも分からないが、聖霊に語らせているからこそ、誰も逆らえなかったのである。

私が御地を訪ねる前日から、少女には見えていたのか、分かっていて、「先生がくる、先生が来る」と言って、喜んでいて、すると、決まって、私は立ち寄ったそうだ。
また、住んでいる町に大火事があり、少女は前日に、Yちゃんの家は「どうもない、燃えないよ」、と言っていたが、母親は何の事か分からなかった。まさしく翌日は、大火事になり、炎がYちゃんの家を越えて行って、街のほとんどが焼けてしまって、少女の家だけが助かった。少女の預言通りに、すべての事が起こって、みんな不思議がっていた。

その少女は、高校卒業後、聖書を学び、牧師になって、郷里で福音伝道に従事して、神の国の建設に奮闘している。
本章(9節)の記述にあたり、そんなことが思い出されたのである。

(11節)そして、わたしたちのところにきて、パウロの帯を取り、それで自分の手足を縛って言った、「聖霊がこうお告げになっている、『この帯の持ち主を、ユダヤ人たちがエルサレムでこのように縛って、異邦人の手に渡すであろう』」。(12節)わたしたちはこれを聞いて、土地の人たちと一緒になって、エルサレムには上って行かないようにと、パウロに願い続けた。
(13節)その時パウロは答えた、「あなたがたは、泣いたり、わたしの心をくじいたりして、いったいどうしようとするのか。わたしは、主イエスの名のためなら、エルサレムで縛られるだけではなく、死ぬことをも覚悟しているのだ」。
(14節)こうして、パウロが勧告を聞きいれてくれないので、わたしたちは「主のみこころが行なわれますように」と言っただけで、それ以上、何も言わなかった。

(注)神の命を受けた者にとって、その使命以上に、為すべき事はない。使徒行伝の使徒パウロは今この様な、立場に立たされているのである。
私も、神の命令を直接受けたことが何度かあった。天の声を聞かされると、どんな危険があろうと、どんな事を聞かされようと、必ず殺されると言われても、神から使わされた任地に行くほかは何も考えられないのである。
その地に上陸した後は、聖霊に導かれるまま、命ぜられるままに、行動をするだけである。何を語ろうかと考える事もなく、語るべき言葉も、聖霊が語らせるままに語ればよいのである。
主が成された御業を証(あかし)するだけで、真の福音は、燎原(りょうげん)の火の様に、人から人へと伝えられていって、主もまた共に働き、気が付いた時は、救いを求める人々が大勢集まっていたのである。
既に示された聖書の御言に従って実行すれば、御言葉に伴うしるしをもって、その確かなことを主が自ら立証されるのである。(マルコ伝第16章20節)に書いてある通りである。

(15節)数日後、わたしたちは旅装を整えてエルサレムへ上って行った。(16節)カイザリヤの弟子たちも数人、わたしたちと同行して、古くからの弟子であるクプロ人マナソンの家に案内してくれた。わたしたちはその家に泊まることになっていたのである。

(17節)わたしたちがエルサレムに到着すると、兄弟たちは喜んで迎えてくれた。(18節)翌日パウロはわたしたちを連れて、ヤコブを訪問しに行った。そこに長老たちがみな集まっていた。(19節)パウロは彼らにあいさつをした後、神が自分の働きをとおして、異邦人の間になさった事どもを一々説明した。(20節)一同はこれを聞いて神をほめたたえ、そして彼に言った、「兄弟よ、ご承知のように、ユダヤ人の中で信者になった者が、数万にものぼっているが、みな律法に熱心な人たちである。(21節)ところが、彼らが伝え聞いているところによれば、あなたは異邦人の中にいるユダヤ人一同に対して、子供に割礼を施すな、またユダヤの慣例にしたがうなと言って、モーセにそむくことを教えている、ということである。

(22節)どうしたらよいか。あなたがここにきていることは、彼らもきっと聞き込むに違いない。(23節)ついては、今わたしたちが言うとおりのことをしなさい。わたしたちの中に、誓願を立てている者が四人いる。(24節)この人たちを連れて行って、彼らと共にきよめを行い、また彼らの頭をそる費用を引き受けてやりなさい。
そうすれば、あなたについて、うわさされていることは、根も葉もないことで、あなたは律法を守って、正しい生活をしていることが、みんなにわかるであろう。(25節)異邦人で信者になった人たちには、すでに手紙で、偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、不品行とを、慎むようにとの決議が、わたしたちから知らせてある」。(26節)そこでパウロは、その次の日に四人の者を連れて、彼ら共にきよめを受けてから宮にはいった。そしてきよめの期間が終って、ひとりびとりのために供え物をささげる時を報告しておいた。

(27節)七日の期間が終ろうとしていた時、アジヤからきたユダヤ人たちが、宮の内でパウロを見かけて、群衆全体を煽動しはじめ、パウロに手をかけて叫び立てた、(28節)「イスラエルの人々よ、加勢にきてくれ。この人は、いたるところで民と律法とこの場所にそむくことを、みんなに教えている。その上に、ギリシャ人を宮の内に連れ込んで、この神聖な場所を汚したのだ」。

(29節)彼らは、前にエペソ人トロピモが、パウロと一緒に町を歩いていたのを見かけて、その人をパウロが宮の内に連れ込んだのだと思ったのである。(30節)そこで、市全体が騒ぎ出し、民衆が駆け集まってきて、パウロを捕らえ、宮の外に引きずり出した。そして、すぐそのあとに宮の門が閉ざされた。
(31節)彼らがパウロを殺そうとしていた時に、エルサレム全体が混乱状態に陥っているとの情報が、守備隊の千卒長にとどいた。
(32節)そこで、彼はさっそく、兵卒や百卒長たちを率いて、その場に駆けつけた。人々は千卒長や兵卒たちを見て、パウロを打ちたたくのをやめた。

(33節)千卒長は近寄ってきてパウロを捕え、彼を二重の鎖で縛っておくように命じた上、パウロは何者か、また何をしたのか、と尋ねた。
(34節)しかし、群衆がそれぞれ違ったことを叫びつづけるため、騒がしくて、確かなことがわからないので、彼はパウロを兵営に連れて行くように命じた。(35節)パウロが階段にさしかかった時には、群衆の暴行を避けるため、兵卒たちにかつがれて行くという始末であった。(36節)大ぜいの民衆が「あれをやっつけてしまえ」と叫びながら、ついてきたからである。

(所見)ユダヤ人たちの騒ぎの背後に働く、悪魔サタンの誘導や支配を感じる。ユダヤ人の間に、パウロが異端を持ち込んだ、と偽りの煽動者を使ってまで、ユダヤ人たちは、あくまでも、パウロを殺さなければ、止まないと言うのである。福音に対する、ユダヤ人たちの偏見や、憎しみは、ますます、増幅するばかりである。

(37節)パウロが兵営の中に連れて行かれようとした時、千卒長に、「ひと言あなたにお話してもよろしいですか」と尋ねると、千卒長が言った、「おまえはギリシャ語が話せるのか。(38節)では、もしかおまえは、先ごろ反乱を起した後、四千人の刺客を引き連れて荒野へ逃げて行ったあのエジプト人ではないのか」。(39節)パウロは答えた、「わたしはタルソ生まれのユダヤ人で、キリキヤのれっきとした都市の市民です。お願いですが、民衆に話をさせて下さい」。
(40節)千卒長が許してくれたので、パウロは階段の上に立ち、民衆にむかって手を振った。すると、一同がすっかり静粛になったので、パウロはヘブル語で話し出した。

聖霊の働きその22

(使徒行伝第22章1節)「兄弟たち、父たちよ、いま申し上げるわたしの弁明を聞いていただきたい」。(2節)パウロが、ヘブル語でこう語りかけるのを聞いて、人々はますます静粛になった。(3節)そこで彼は言葉をついで言った、「わたしはキリキヤのタルソで生まれたユダヤ人であるが、この都で育てられ、ガマリエルのひざもとで先祖伝来の律法について、きびしい薫陶(くんとう)を受け、今日の皆さんと同じく神に対して熱心な者であった。

(4節)そして、この道を迫害し、男であれ女であれ、縛りあげて獄に投じ、彼らを死に至らせた。(5節)このことは、大祭司も長老たち一同も、証明するところである。さらにわたしは、この人たちからダマスコの同志たちへあてた手紙をもらって、その地にいる者たちを縛りあげ、エルサレムにひっぱってきて、処罰するため、出かけて行った。

(6節)旅をつづけてダマスコの近くにきた時に、真昼ごろ、突然、つよい光が天からわたしをめぐり照らした。(7節)わたしは地に倒れた。そして、『サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか』と、呼びかける声を聞いた。(8節)これに対してわたしは、『主よ、あなたはどなたですか』と言った。すると、その声が、『わたしは、あなたが迫害しているナザレ人イエスである』と答えた。(9節)わたしと一緒にいた者たちは、その光は見たが、わたしに語りかけたかたの声は聞かなかった。

(注)(6節〜9節)私も、東京の大聖会の三日間で、天の声を聞いた時も同じであった。三千人余の信者達が、異言のお祈りで騒然としていた時、同じ時間で、三日間、午前、午後とも、天からの声を聞いた。最初は天から、霊の歌声が聞こえてきた。その直ぐ後に、雷の様な声で、南米に行け、と言う神の命令がわたしに与えられた。その声を誰一人、聞いた者がいなかったのである。ダマスコの近くでパウロに語られた、主イエスの声も同じ体験である。

(10節)わたしが『主よ、わたしは何をしたらよいでしょうか』と尋ねたところ、主は言われた、『起きあがってダマスコに行きなさい。そうすれば、あなたがするように決めてある事が、すべてそこで告げられるであろう』。(11節)わたしは、光の輝きで目がくらみ、何も見えなくなっていたので、連れの者たちに手を引かれながら、ダマスコに行った。

 (12節)すると、律法に忠実で、ダマスコ在住のユダヤ人全体に評判のよいアナニヤという人が、(13節)わたしのところにきて、そばに立ち、『兄弟サウロよ、見えるようになりなさい』と言った。するとその瞬間に、わたしの目が開いて、彼の姿が見えた。(14節)彼は言った、『わたしたちの先祖の神が、あなたを選んでみ旨を知らせ、かの義人を見させ、その口から声をお聞かせになった。
(15節)それはあなたが、その見聞きした事につき、すべての人に対して、彼の証人になるためである。
(16節)そこで今、なんのためらうことがあろうか。すぐ立って、み名をとなえてバプテスマを受け、あなたの罪を洗い落としなさい』。

(17節)それからわたしは、エルサレムに帰って宮で祈っているうちに、夢うつつになり、(18節)主にまみえたが、主は言われた、『急いで、すぐにエルサレムを出て行きなさい。わたしについてのあなたのあかしを、人々が受けいれないから』。(19節)そこで、わたしが言った、『主よ、彼らは、わたしがいたるところの会堂で、あなたを信じる人を獄に投じたり、むち打ったりしていたことを、知っています。(20節)また、あなたの証人ステパノの血が流された時も、わたしは立ち会っていてそれに賛成し、また彼を殺した人たちの上着の番をしていたのです』。(21節)すると、主がわたしに言われた、『行きなさい。わたしが、あなたを遠く異邦の民へつかわすのだ』」。

(注)(21節)に明記されたように、使徒パウロはその時から、主イエスの命によって正式に異邦人の使徒として、ユダヤ人以外の世界の異邦人に、使わされたのである。そして、今ユダヤ人から憎まれ、命を狙われる様になったのである。
ユダヤ人達が言う、律法をも守らなかったから、神は、“おきての終わり”(律法はヨハネまで)と、新しい契約の使いとして、イエス・キリストを遣わされたのである。イエス・キリストは、神の国の福音を説き、私達に神の国に入る条件として、「水と霊」によって、新しく生まれ変りなさい。なぜ、神の国に入る必要があるのか、ペテロの預言を見ましょう。

(ペテロ後書3章10節〜13節)天は大音響をたてて消え去り、天体は焼けてくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされるであろう。(〜中略〜)(13節)しかし、わたしたちは、神の約束に従って、義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる。

(ヨハネの黙示録第21章1節)わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった。

と預言されているのである。ペテロもヨハネも、同じ天の啓示を受けたのです。

(22節)彼の言葉をここまで聞いていた人々は、このとき、声を張り上げて言った、「こんな男は地上から取り除いてしまえ。生かしておくべきではない」。(23節)人々がこうわめき立てて、空中に上着を投げ、ちりをまき散らす始末であったので、(24節)千卒長はパウロを兵営に引き入れるように命じ、どういうわけで、彼に対してこんなにわめき立てているのかを確かめるため、彼をむちの拷問にかけて、取り調べるように言いわたした。(25節)彼らがむちを当てるため、彼を縛りつけていた時、パウロはそばに立っている百卒長に言った、「ローマの市民たる者を、裁判にかけもしないで、むち打ってよいのか」。

(26節)百卒長はこれを聞き、千卒長のところに行って報告し、そして言った、「どうなさいますか。あの人はローマの市民なのです」。(27節)そこで、千卒長がパウロのところにきて言った、「わたしに言ってくれ。あなたはローマの市民なのか」。パウロは「そうです」と言った。(28節)これに対して千卒長が言った、「わたしはこの市民権を、多額の金で買い取ったのだ」。するとパウロは言った、「わたしは生まれながらの市民です」。

(29節)そこで、パウロを取り調べようとしていた人たちは、ただちに彼から身を引いた。千卒長も、パウロがローマの市民であること、また、そういう人を縛っていたことがわかって、恐れた。

(30節)翌日、彼は、ユダヤ人がなぜパウロを訴え出たのか、その真相を知ろうと思って彼を解いてやり、同時に祭司長たちと全議会とを召集させ、そこに彼を引き出して、彼らの前に立たせた。

聖霊の働きその23

(使徒行伝第23章1節)パウロは議会を見つめて言った、「兄弟たちよ、わたしは今日まで、神の前に、ひたすら明らかな良心にしたがって行動してきた」。(2節)すると、大祭司アナニヤが、パウロのそばに立っている者たちに、彼の口を打てと命じた。(3節)そのとき、パウロはアナニヤにむかって言った、「白く塗られた壁よ、神があなたを打つであろう。あなたは、律法にしたがって、わたしをさばくために座についているのに、律法にそむいて、わたしを打つことを命じるのか」。

(4節)すると、そばに立っている者たちが言った、「神の大祭司に対して無礼なことを言うのか」。(5節)パウロは言った、「兄弟たちよ、彼が大祭司だとは知らなかった。聖書に『民のかしらを悪く言ってはいけない』と、書いてあるのだった」。

(6節)パウロは、議員の一部がサドカイ人であり、一部はパリサイ人であるのを見て、議会の中で声を高めて言った、「兄弟たちよ、わたしはパリサイ人であり、パリサイ人の子である。わたしは、死人の復活の望みをいだいていることで、裁判を受けているのである」。(7節)彼がこう言ったところ、パリサイ人とサドカイ人との間に争論が生じ、会衆が相分かれた。(8節)元来、サドカイ人は、復活とか天使とか霊とかは、いっさい存在しないと言い、パリサイ人は、それらは、みな存在すると主張している。(9節)そこで、大騒ぎとなった。

パリサイ派のある律法学者たちが立って、強く主張して言った、「われわれは、この人には何も悪いことがないと思う。あるいは、霊か天使かが、彼に告げたのかも知れない」。(10節)こうして、争論が激しくなったので、千卒長は、パウロが彼らに引き裂かれるのを気づかって、兵卒どもに、降りて行ってパウロを彼らの中から力づくで引き出し、兵営に連れて来るように、命じた。

(11節)その夜、主がパウロに臨んで言われた、「しっかりせよ。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなくてはならない」。

(12節)夜が明けると、ユダヤ人らは申し合わせをして、パウロを殺すまでは飲食をいっさい断つと、誓い合った。(13節)この陰謀に加わった者は、四十人あまりであった。(14節)彼らは、祭司長たちや長老たちのところに行って、こう言った。「われわれは、パウロを殺すまでは何も食べないと、堅く誓い合いました。(15節)ついては、あなたがたは議会と組んで、彼のことでなお詳しく取調べをするように見せかけ、パウロをあなたがたのところに連れ出すように、千卒長に頼んで下さい。われわれとしては、パウロがそこにこないうちに殺してしまう手はずをしています」。

(16節)ところが、パウロの姉妹の子が、この待伏せのことを耳にし、兵営にはいって行って、パウロにそれを知らせた。(17節)そこでパウロは、百卒長のひとりを呼んで言った、「この若者を千卒長のところに連れて行ってください。何か報告するようなことがあるようですから」。(18節)この百卒長は若者を連れて行き、千卒長に引きあわせて言った、「囚人のパウロが、この若者があなたに話したいことがあるので、あなたのところに連れて行ってくれるようにと、わたしを呼んで頼みました」。

(19節)そこで千卒長は、若者の手を取り、人のいないところに連れて行って尋ねた、「わたしに話したいことというのは、何か」。(20節)若者が言った、「ユダヤ人たちが、パウロのことをもっと詳しく取調べをすると見せかけて、あす議会に彼を連れ出すように、あなたに頼むように決めています。(21節)どうぞ、彼らの頼みを取り上げないで下さい。四十人あまりの者が、パウロを待伏せしているのです。彼らは、パウロを殺すまでは飲食をいっさい断つと、堅く誓い合っています。そして、いま手はずをととのえて、あなたの許可を待っているところなのです」。(22節)そこで千卒長は、「このことをわたしに知らせたことは、だれにも口外するな」と命じて、若者を帰した。

(注)ユダヤ人達の、パウロに対する憎しみは、異常なものがある。その背後に働いているものは何か? 聖霊に対する悪魔の妨害や誘導ではないかとさえ、思える。悪魔は命を狙って来るからである。それが悪魔の、常套手段(じょうとうしゅだん)である。

(23節)それから彼は、百卒長ふたりを呼んで言った、「歩兵二百名、騎兵七十名、槍兵二百名を、カイザリヤに向け出発できるように、今夜九時までに用意せよ。(24節)また、パウロを乗せるために馬を用意して、彼を総督ペリクスのもとへ無事に連れ行け」。
(25節)さらに彼は、次のような文面の手紙を書いた。(26節)クラウデオ・ルシヤ、つつしんで総督ペリクス閣下の平安を祈ります。(27節)本人のパウロが、ユダヤ人らに捕えられ、まさに殺されようとしていたのを、彼のローマ市民であることを知ったので、わたしは兵卒たちを率いて行って、彼を救い出しました。

(28節)それから、彼が訴えられた理由を知ろうと思い、彼を議会に連れて行きました。(29節)ところが、彼はユダヤ人の律法の問題で訴えられたものであり、なんら死刑または投獄に当たる罪のないことがわかりました。(30節)しかし、この人に対して陰謀がめぐらされているとの報告がありましたので、わたしは取りあえず、彼を閣下のもとにお送りすることにし、訴える者たちには、閣下の前で、彼に対する申立てをするようにと、命じておきました」。

(31節)そこで歩兵たちは、命じられたとおりパウロを引き取って、夜の間にアンテパトリスまで連れて行き、(32節)翌日は、騎兵たちにパウロを護送させることにして、兵営に帰って行った。(33節)騎兵たちは、カイザリヤに着くと、手紙を総督に手渡し、さらにパウロを彼に引きあわせた。
(34節)総督は手紙を読んでから、パウロに、どの州の者かと尋ね、キリキヤの出だと知って、(35節)「訴え人たちがきた時に、おまえを調べることにする」と言った。そして、ヘロデの官邸に彼を守っておくように命じた。

聖霊の働きその24

(使徒行伝第24章1節)五日の後、大祭司アナニヤは、長老数名と、テルトロという弁護人とを連れて下り、総督にパウロを訴え出た。(2節)パウロが呼び出されたので、テルトロは論告を始めた。

「ペリクス閣下、わたしたちが、閣下のお陰でじゅうぶんに平和を楽しみ、またこの国が、ご配慮によって、(3節)あらゆる方面に、またいたるところで改善されていることは、わたしたちの感謝してやまないところであります。
(4節)しかし、ご迷惑をかけないように、くどくどと述べずに、手短かに申し上げますから、どうぞ、忍んでお聞き取りのほど、お願いいたします。(5節)さて、この男は、疫病のような人間で、世界中のすべてのユダヤ人の中に騒ぎを起している者であり、また、ナザレ人らの異端のかしらであります。(6節)この者が宮までも汚そうとしていたので、わたしたちは彼を捕縛したのです。〔そして、律法にしたがって、さばこうとしていたところ、(7節)千卒長ルシヤが干渉して、彼を無理にわたしたちの手から引き離してしまい、(8節)彼を訴えた人たちには、閣下のところに来るようにと命じました〕。それで、閣下ご自身でお調べになれば、わたしたちが彼を訴え出た理由が、全部おわかりになるでしょう」。
(9節)ユダヤ人たちも、この訴えに同調して、全くそのとおりだと言った。
(10節)そこで、総督が合図をして発言を促したので、パウロは答弁して言った。

「閣下が、多年にわたり、この国民の裁判をつかさどっておられることを、よく承知していますので、わたしは喜んで、自分のことを弁明いたします。(11節)お調べになればわかるはずですが、わたしが礼拝をしにエルサレムに上ってから、まだ十二日そこそこにしかなりません。
(12節)そして、宮の内でも、会堂内でも、あるいは市内でも、わたしがだれかと争論したり、群衆を煽動(せんどう)したりするのを見たものはありませんし、(13節)今わたしを訴え出ていることについて、閣下の前に、その証拠をあげうるものはありません。

(14節)ただ、わたしはこの事は認めます。わたしは、彼らが異端だとしている道にしたがって、わたしたちの先祖の神に仕え、律法の教えるところ、また預言者の書に書いてあることを、ことごとく信じ、(15節)また、正しい者も正しくない者も、やがてよみがえるとの希望を、神を仰いでいだいているものです。この希望は、彼ら自身も持っているのです。
(16節)わたしはまた、神に対しまた人に対して、良心に責められることのないように、常に努めています。(17節)さてわたしは、幾年ぶりかに帰ってきて、同胞に施しをし、また、供え物をしていました。

(18節)そのとき、彼らはわたしが宮できよめを行なっているのを見ただけであって、群衆もいず、騒動もなかったのです。(19節)ところが、アジヤからきた数人のユダヤ人が―――彼らが、わたしに対して、何かとがめ立てをすることがあったなら、よろしく閣下の前にきて、訴えるべきでした。(20節)あるいは、何かわたしに不正なことがあったなら、わたしが議会の前に立っていた時、彼らみずから、それを指摘すべきでした。(21節)ただ、わたしは、彼らの中に立って『わたしは、死人のよみがえりのことで、きょう、あなたの前でさばきを受けているのだ』と叫んだだけのことです。

(22節)ここでペリクスは、この道のことを相当わきまえていたので、「千卒長ルシヤが下って来るのを待って、おまえたちの事件を判決することにする」と言って、裁判を延期した。(23節)そして百卒長に、パウロを監禁するように、しかし彼を寛大に取り扱い、友人らが世話をするのを止めないようにと、命じた。

(24節)数日たってから、ペリクスは、ユダヤ人である妻ドクシラと一緒にきて、パウロを呼び出し、キリスト・イエスに対する信仰のことを、彼から聞いた。(25節)そこで、パウロが、正義、節制、未来の審判などについて論じていると、ペリクスは不安を感じてきて、言った、「きょうはこれで帰るがよい。また、よい機会を得たら、呼び出すことにする」。
(26節)彼は、それと同時にパウロから金をもらいたい下心があったので、たびたびパウロを呼び出しては語り合った。

(27節)さて、二か年たった時、ポルキオ・フェストがペリクスと交代して任についた。ペリクスは、ユダヤ人の歓心を買おうと思って、パウロを監禁したままにしておいた。

(注)ペリクスは、ユダヤ人たちが、パウロを訴えている理由は何でもない事を承知している。ただ、ユダヤ人たちに、好感を持たれたい為に、裁判を引き延ばしている。福音についても、感心を持っているが、ただ、パウロを時々呼んで、話を聞いているのは、パウロから、金を貰いたかったのだ。

聖霊の働きその25

(使徒行伝第25章1節)さて、フェストは、任地に着いてから三日の後、カイザリヤからエルサレムに上ったところ、(2節)祭司長たちやユダヤ人の重立った者たちが、パウロを訴え出て、(3節)彼をエルサレムに呼び出すよう取り計らっていただきたいと、しきりに願った。彼らは途中で待ち伏せして、彼を殺す考えであった。
(4節)ところがフェストは、パウロがカイザリヤに監禁してあり、自分もすぐそこへ帰ることになっていると答え、(5節)そして言った、「では、もしあの男に何か不都合なことがあるなら、おまえたちのうちの有力者らが、わたしと一緒に下って行って、訴えるがよかろう」。

(6節)フェストは、彼らのあいだに八日か十日ほど滞在した後、カイザリヤに下って行き、その翌日、裁判の席について、パウロを引き出すように命じた。(7節)パウロが姿をあらわすと、エルサレムから下ってきたユダヤ人たちが、彼を取りかこみ、彼に対してさまざまの重い罪状を申し立てたが、いずれもその証拠をあげることはできなかった。
(8節)パウロは「わたしは、ユダヤ人の律法に対しても、宮に対しても、またカイザルに対しても、なんら罪を犯したことはない」と弁明した。(9節)ところが、フェストはユダヤ人の歓心を買おうと思って、パウロにむかって言った、「おまえはエルサレムに上り、この事件に関し、わたしからそこで裁判を受けることを承知するか」。
(10節)パウロは言った、「わたしは今、カイザルの法廷に立っています。わたしはこの法廷で裁判されるべきです。よくご承知のとおり、わたしはユダヤ人たちに、何も悪いことをしてはいません。(11節)もしわたしが悪いことをし、死に当たるようなことをしているのなら、死を免(まぬか)れようとはしません。しかし、もし彼らの訴えることに、なんの根拠もないとすれば、だれもわたしを彼らに引き渡す権利はありません。わたしはカイザルに上訴します」。
(12節)そこでフェストは、陪席の者たちと協議したうえ答えた、「おまえはカイザルに上訴を申し出た。カイザルのところに行くがよい」。

(13節)数日たった後、アグリッパ王とベルニケとが、フェストに敬意を表するため、カイザリヤにきた。(14節)ふたりは、そこに何日間も滞在していたので、フェストは、パウロのことを王に話して言った、「ここに、ペリクスが囚人として残して行ったひとりの男がいる。(15節)わたしがエルサレムに行った時、この男のことを、祭司長たちやユダヤ人の長老たちが、わたしに報告し、彼を罪に定めるようにと要求した。

(16節)そこでわたしは、彼らに答えた、『訴えられた者が、訴えた者の前に立って、告訴に対し弁明する機会を与えられない前に、その人を見放してしまうのは、ローマ人の慣例にはないことである』。(17節)それで、彼らがここに集まってきた時、わたしは時をうつさず、次の日に裁判の席について、その男を引き出させた。(18節)訴えた者たちは立ち上がったが、わたしが推測していたような悪事は、彼について何一つ申し立てはしなかった。

(19節)ただ、彼と争い合っているのは、彼ら自身の宗教に関し、また、死んでしまったのに生きているとパウロが主張しているイエスなる者に関する問題に過ぎない。(20節)これらの問題を、どう取り扱ってよいかわからなかったので、わたしは彼に、『エルサレムに行って、これらの問題について、そこでさばいてもらいたくはないか』と尋ねてみた。(21節)ところがパウロは、皇帝の判決を受ける時まで、このまま自分をとどめておいてほしいと言うので、カイザルに彼を送りとどける時までとどめておくようにと、命じておいた」。

(注)パウロは無実の罪でユダヤ人達に訴えられている。フェストもパウロの犯罪事実を上げる事はできなかった。ユダヤ人達もただ騒ぎ立てるだけで、自分達が訴えている証拠を誰一人上げる事は出来なかった。しかし、パウロは、皇帝の前で証言し、皇帝の判決を受けることを希望しているのである。

(22節)そこで、アグリッパがフェストに「わたしも、その人の言い分を聞いて見たい」と言ったので、フェストは、「では、あす彼から聞きとるようにしてあげよう」と答えた。

(23節)翌日、アグリッパとベルニケとは、大いに威儀(いぎ)をととのえて、千卒長たちや市の重立った人たちと共に、引見所(いんけんじょ)にはいってきた。すると、フェストの命によって、パウロがそこに引き出された。
(24節)そこで、フェストが言った、「アグリッパ王、ならびにご臨席の諸君。ごらんになっているこの人物は、ユダヤ人たちがこぞって、エルサレムにおいても、また、この地においても、これ以上生かしておくべきでないと叫んで、わたしに訴え出ている者である。(25節)しかし、彼は死に当ることは何もしていないと、わたしは見ているのだが、彼自身が皇帝に上訴すると言い出したので、彼をそちらへ送ることに決めた。

(26節)ところが、彼について、主君に書き送る確かなものが何もないので、わたしは、彼を諸君の前に、特に、アグリッパ王よ、あなたの前に引きだして、取り調べをしたのち、上書(じょうしょ)すべき材料を得ようと思う。(27節)囚人を送るのに、その告訴の理由を示さないということは、不合理だと思えるからである」。

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