| 世界伝道への道 |
シンガポールシンガポールには一週間停泊した。毎日上陸する事となったが、沖縄出身者は上陸出来ないとのことで、その理由をただすと、日本国籍のパスポートを所持していないからと言う事である。それは重大な差別である。
周知の通り、沖縄は第二次世界大戦最後の地上戦場となり、日本の敗戦と同時に、アメリカ軍の占領統治下に置かれ、以後アメリカ民政府発行の身分証明証を所持しなければ、日本本土にも渡航出来なかったのである。
外国へも同様、琉球住民である事を証明したアメリカ民政府の発行した身分証明証で渡航する為、国籍は証明出来ず、沖縄住民は無国籍状態で、シンガポールに来ても、上陸が許可されないとの問題が起った。
戦後沖縄は貧しく、南米に移住する家族が多かったのであるが、日本の移民政策で、沖縄は最多の移民を送り出していた。
それなのに沖縄住民であるとの理由で、上陸を禁じる行為は、重大な人権の蹂躙であり、差別であると訴え、大激論となった。
移民を引率する外務省の役人が本省に問い合わせて、ようやく沖縄住民も上陸が許可された。国民の生命財産の保護責任は、日本政府にあるのである。
同船者達に遅れて私も上陸し、レストランに行くと、土地の人々が箸やフォークも使わず、手づかみで食べていることに驚かされた。
当地では、マレー人や、インド人青年達と友達になり、一緒に写真を撮ったりして国際親善が出来たと思う。シンガポールは、戦時中日本軍が占領したので、その調印式が行なわれた場所にも行って見た。
シンガポールでは、同船者のアルゼンチンに移住する一人の青年が、『水と霊』のバプテスマを受けて救いに与り、感謝であった。
同船者の移住者達は、同じ屋根の下で寝起きする家族みたいで、親しくなって色々な事を語り合い、励ましあって毎日楽しい旅であった。
チチャレンカ号は、シンガポールを出港して、マレーシアに寄港した。