| 世界伝道への道 |
大西洋の航海 移民船チチャレンカ号は、いよいよ最後の航海へと出発した。
大西洋は多少波が高かったが、新天地を思い、心は燃え上がり、力が湧いてくるのを感じた。
南米に行けと命じられた神の声が、どのように導かれ用いられるか、神の計画を推し進める為に、如何にあるべきか・・・。
広い大西洋では、夜は南十字星を見て、昼は波間に時々カモメが顔を現す、その他は何も見えなかった。
やっと10日目に、ブラジルの山々が見えてきた。
リオデジャネイロが近づくに従って、キリストの像が雲の上に立ってみえる。キリストが雲に乗ってくるという聖書の御言葉が、思いだされた。
(ルカ伝第21章25節〜28節)は、また日と月と星とに、しるしが現れるであろう。そして、地上では、諸国民が悩み、海と大波とのとどろきにおじ惑い、(26節)人々は世界に起ろうとする事を思い、恐怖と不安で気絶するであろう。
もろもろの天体が揺り動かされるからである。(27節)そのとき、大いなる力と栄光とをもって、人の子(キリスト)が雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。
(28節)これらの事が起りはじめたら、身を起こし頭をもたげなさい。あなたがたの救いが近づいているのだから。
と預言されている。リオデジャネイロ チチャレンカ号は、ブラジルの最初の港、リオデジャネイロに入港した。
桟橋に接岸すると、沖縄から乗船した再渡航者の大城さんが、コーヒーを飲みに行こうと誘ってくれたので、上陸して街に出かけた。早速コーヒー店に入り、大城さんが得意のポルトガル語でコーヒーを注文してくれた。
話には聞いていたが、ブラジルのコーヒーは、豆をひいて、蒸気だけでコーヒーのエキスを搾り出し、専用のカップにお砂糖をたっぷり入れて飲むのである。その味は何時までも口の中に残り、今でも忘れられない美味である。
船に帰って、ブラジル伝道の為にお祈りした。すると、主イエスは、もし信じるならば、とだけ言われた。
もし信じるならば、何でも願い通りに成る。その言葉の余韻には、意味が深く、様々な可能性が考えられる。聖書の言葉は預言であり、神の約束である。
リオデジャネイロには、数日停泊した。
チチャレンカ号は、いよいよこの航海の目的地、ブラジルのサントス港を目指してリオデジャネイロを出港した。